情報収集する

葬儀の情報収集をするにあたって、何も軸を持っていないと、玉石混交の情報に振り回されることにもなりかねません。全体像から、どの分野の情報を収集しているのかを位置づけることで混乱を防げるでしょう。情報収集といってもネットだけでなく、実際の人間関係の中からの情報収集も非常に大事です。

俯瞰して全体像を抑える

「葬儀の準備」の項で、どのような葬儀にするのかを整理し、それにあう葬儀社を選べれば、大丈夫ということを書きました。そのためには、情報収集は欠かせません。

「仏式、家族葬、南部斎場、100万、サービスしっかり」と整理されているとなれば、葬儀社選びもそれほど難しくないでしょう。

どのような葬儀にするのか決める → 葬儀社を決める

しかし、初期段階では「おそらく仏式、未定、磯子区辺り、内容によりけり、無駄なサービスはいらない」ぐらいでしょうか。
なので、一方的な方向というよりも、正確に言うと、

どのような葬儀にするのか決める ⇔ 葬儀社を決める

どのような葬儀にするのか、まず決めてもいい条件は何か、一部決まる ⇒ その他の項目を比較、葬儀社もあわせて比較をして絞る ⇒ どのような葬儀にするのかほぼ決める ⇒ 葬儀社もほぼ決める・・・・

という行ったり来たりの感じのほうがより正確でしょう。たとえば、仏式の家族葬だけはほぼ決まりということであれば、エリア、斎場、葬儀社、費用を合わせて様々な選択肢を比較していくというようにです。また、A社は、スタッフも良く小さな葬儀でも手を抜かない所なので決めているが、一日葬か家族葬のどちらにしようか、といように。

葬儀とは、「仏式の家族葬を南部斎場で、△△月△△日、対応が良いと評判の○○社でやって◇◇円」ということになります。 これを分解しますと、規模、宗教、場所、費用、サービス、葬儀社です。なので、情報収集する項目は以下の6つということになります。

情報収集が必要な6つの項目

1、規模 
主にどれくらいの規模の葬儀にするのか
直葬(火葬)、一日葬、市民葬儀、家族葬、こぢんまり葬、一般葬、大型葬
2、宗教
どんな宗教の葬儀にするのか
仏式、神式、キリスト教葬、友人葬、無宗教葬、音楽葬・・・
3-1、場所(エリア)
どのあたりで行うのか
青葉区、旭区、泉区、磯子区、神奈川区、金沢区、港南区、横浜市・・・
3-2、場所(斎場)
具体的にどの斎場で行うのか
駅から近い、設備が整っている、待ち日数がない、費用が安い、家族葬向け・・・
北部斎場、南部斎場・・・
4、予算
おおまかなイメージや具体的数字はあるか
最低限、相場並み、まずは気にせず他の項目優先・・・
5、サービスの質
大まかなイメージはあるか
最低限、できることは自分たちでやる、余計なものはいらない、華美にならないように、きめ細かい対応、フォローを厚く・・・
6、葬儀社
どこにどんな葬儀社があり、その特徴は何か

情報収集するときには、全体像から、自分が今どの分野の情報を収集しているのかを理解しておかないと、混乱してしまうことになるでしょう。

比較なしできまるもの

上記6つの項目を決めていくために、情報収集・比較検討していくことになります。もっとも、すべての項目で、どれにするのかと情報収集する必要はありません。6つの項目全部をひとつずつにつき情報収集して、メリット・デメリットを考慮して比較検討していくのは大変骨の折れる作業になるでしょう。まず、可能であれば、ご家族や親族など実際の人間関係の中での情報交換や情報収集や、初期の情報収集の段階で、6つの項目の中で、あまり比較しなくても決められる所はないでしょうか。例えば、

  • 代々の菩提寺で仏式の葬儀なので、仏式は決まり
  • ご対象者の強い意思なので、家族葬は決まり
  • 斎場は、北部斎場で決まり
  • 予算は、50万円までしかだせない

こうしたところがあれば、残りの項目について、比較検討すればいいということになります。多くの場合、ほとんどの項目は関係者との情報交換によって決めてられ、比較検討するのは、具体的な斎場と葬儀社、予算の場合が多いかもしれません。

リアルな情報収集も大事

このように、家族や親戚、場合によってはご対象者の話は、過去の実績や実家の話などを踏まえているので、規模や宗教、斎場、葬儀社を決めるのに必要な情報をもらえるものです。ここを抑えておけば、後々、関係者間での感情的な軋轢などの問題が起こるのを回避できるでしょう。

ネットでの情報収集は、人知れずできるという便利な面がある一方、気を付けないと、内容が偏る可能性もあります。たとえば、ネット収集で得られる激安情報を一般的と理解する人が出てこないとは限りません。 その点、身近な人の話や口コミは、その人を知っている分、バランスのとれた情報源になるのではないでしょうか。

ネット情報は参考程度にとどめ、実態を重視しようとすれば間違いは起こりにくくなります。たとえば、葬儀社の情報を収集するにしてもネットだけでは、実際担当者がどういう対応をするのかはわかりません。会ってみるのが一番いいのでしょう。

このように、6つの項目の一つである、サービスは、ネットからは情報収集が難しい部分です。信頼のおける人からの情報が一番あてになる部分であったり、実際に会うのが一番わかりやすいものです。
斎場にしても、実際に行ってみるのがいちばん感覚がつかめると思います。

情報収集で混乱したら、相談員を活用

たしかに、身近な人に話を聞くのは大事なことがわかるのが、そのような状況や気持ちでもない、かといって、近くの葬儀社や斎場に直接行って話を聞いてくるのは気が引ける。このような場合は、当センターの相談員の持っている情報をご活用いただければと思います。何も情報を持っていない場合でも状況に合わせてアドバイスができると思います。

逆に、「ネットでの調査では葬儀社の実力を見極めるのは不可能」「ネットでの情報の収集に限界を感じた」「調べれば調べるほど混乱した」「結局どの情報が大事で、どの情報が不要なのか、判別がつかない」・・・など、当センターを利用した理由をお聞かせいただくことがありますので、情報整理するのにもお役に立つことができると思います。

ただ、当センターへ直接相談することにも抵抗がある人もいると思います。そうした方にも少しでも相談への抵抗感(どんな葬儀社を紹介してくれるのか不安等)を減らしてもらえるよう、また、ある程度の検討材料になるぐらいまで、「情報収集する」カテゴリーでは情報提供を試みています。斎場案内も葬儀社案内ページもスタッフが実際に取材し、まとめた内容になっています。