斎場の選び方
横浜市には、公営の、北部斎場、南部斎場、戸塚斎場、久保山斎場があります。火葬場も併設で横浜市の火葬場はこの4つになります。斎場はこのほか、民間や寺院の貸斎場、葬儀社が自社で保有する自社斎場があります。それぞれに特徴があります。
斎場にはどんな種類があるのか
斎場とは通夜や葬儀・告別式を行う場所のことです。斎場をどこにするのか決まっていなければ、選択肢としても良いところをピックアップし、それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで決めていくことになるでしょう。
状況によって、使える斎場も変わってきます。市営の斎場は、市民の方のためのものですので、ご本人が市民でないと、実際的に利用できなかったり、市外料金になります。近くのお寺さんの斎場を利用したいが檀家さんしか利用できないということもあります。逆に、団地やマンションに集会所があれば、それらも選択肢になります。
それぞれの斎場としての一般的なメリット・デメリットを挙げてみましょう。
斎場 | メリット | デメリット |
---|---|---|
市営斎場 北部斎場 南部斎場 |
・費用が抑えられる。 ・火葬場が併設されていて移動の必要がない。 ・利用葬儀社の制限はない。 |
・場所が少し不便 ・利用希望者多いので、待機日数がある。 ・利用資格制限がある。 |
一般的な貸式場 | ・待機日数はあまりない。 ・交通の便の良いところも多い。 ・おおむね利用葬儀社の制限はない。 |
・費用がかかる。 ・飲食が指定業者の場合がある。場合によっては葬儀社の指定もある。 |
菩提寺 | ・慣れ親しんでいるところで送り出せる。 ・普段から意思疎通があるご僧侶であれば、何かと相談ができる。 |
葬儀社が指定される場合があり、選択できないこともある。 |
葬儀社自社斎場 | ・葬儀のための設備が整っている。 ・自社だけが利用するので融通がきく。 ・担当者は慣れているので流れがスムーズ。 |
・葬儀社の選択肢がない。 |
集会所 | 費用が安い | ご近所さんには知られるので、家族葬には向かない。 |
自宅 | ・思入れのある場所から故人を送り出すことができる。 ・斎場費がかからない。 |
・部屋の片づけなど対応を整える必要がある。 ・ご近所さんに知られるので、家族葬には向かない。 |
葬儀社自社斎場以外は、基本的に場所だけを提供するので、そこで葬儀をするには葬儀社が必要になります。
すでに決まっている項目である程度絞られる
これらの斎場すべてにおいて調べてどこにするかというよりも、すでに6つの項目(6項目はこちら参照)で決まっているものからの関連でかなり斎場選びも絞られています。まず、決まっている項目を確認してみましょう。
たとえば、規模や宗教で、「家族葬」ということであれば、大きい斎場よりも家族葬向きの斎場がよいでしょう。「一日葬」ならば、一日貸の斎場があれば選択肢にしても良いでしょう。宗教によって、使えない斎場もあります。
「費用をあまりかけたくない」ということであれば、基本的には市営斎場が良いでしょうし、状況によっては自宅、集会所も選択肢になるでしょう。
これらの項目からしぼられると同時に斎場に求める条件として、価格なのか、設備なのか、場所なのか、待機日数なのか、優先順位をつければさらに絞っていくこともできます。例えば、
- 会葬者の交通の便を考えて、駅が近く、設備がととのっている
- 費用は高くてもいいから、駅近くの近代的な斎場
- とにかく価格重視で
- 会社をそんなに長い間、休むわけにもいかないので、待機日数はないほうがいい
- 家族葬で、人にあまり知られたくないので、かえって遠くのほうがいい
横浜市民になじみ深いのは、公営斎場です。横浜市民の方であれば、利用でき、費用面・設備面・移動面で優位性があるので、利用希望者も多いところです。ただ、交通の便・待機日数に難ががあるので、そこにデメリットを感じますと、他の斎場を選択肢とする場合もあります。
下記は、平成13年東京都の「葬儀にかかわる費用等調査報告書」です。斎場についての適当な調査がないので、古く場所も違いますが取り上げてみます。斎場選択の理由なので、少しは参考になると思います。
ちなみに、日程を優先させる必要がでてきた場合など、斎場は葬儀社とのやり取りの中で決めていくことも多くなりすので、葬儀社選びさえ間違わなければ斎場選びも失敗しないといってもいいでしょう。同じく、どこの斎場ですればいいのかわからない、心当たりもないような場合もそうです。自社保有斎場を含めて、どういう斎場に精通し提案してくれるのか、それを見た上で葬儀社を絞り込むことも大事になってきます。
斎場の情報収集の仕方
斎場は、ある程度、ネット上の情報や紙の情報からだけでも推量はできます。見学もできるので、見当を付けるのはそれほど難しくはありません。みるポイントとすれば、どんな葬儀をするのかの項目と、優先順位の条件を合わせたものに対応させて捉えると良いと思います。
それは、1対応規模、2対応宗教、3場所、4費用、5設備、6利用葬儀社制限、7待ち日数、8所有形態です。
コラム1(自宅葬から斎場での葬儀になってきている)
かつては自宅葬がほとんどでしたが、現在では斎場での葬儀が大半を占めています。その理由としては、斎場を利用すれば、葬儀のために自宅を準備する必要もなく、近所への心遣いが必要ないことなど、遺族の精神的負担が少ないということがあると思われます。
下記は、2011年に行われた経済産業省の調査結果(安心と信頼のあるライフエンディング・ステージの創出に向けた調査)です。「葬儀場所」について自宅葬が2割を超えていますが、この調査は全国対象なので、都心部だけならもう少し割合が下がると思われます。ちなみに、(財)日本消費者協会の調査報告(神奈川・東京・埼玉地域、2014年1月)では、自宅葬6.3%、葬儀専門式場81.8%となっています。
コラム(葬儀社選びと斎場選びの関係)
葬儀社選びと斎場選びは大抵の場合、それぞれ別々に選べますが、選べない場合があります。それは、葬儀社が所有している斎場を利用する場合で、一般的にその斎場はその葬儀社しか使えません。よって、葬儀社所有の斎場を利用したい場合、葬儀社選びと斎場選びは同じになってしまいます。
大抵の場合、たとえば、公営斎場や民間の貸斎場を利用する場合、その斎場は基本的に場所だけを提供するので、そこで葬儀をするには葬儀社が必要になるわけです。こうした斎場を利用するには、そこに精通した葬儀社に依頼することが安心につながります。
ちなみに、斎場を所有していない葬儀社のほうが、所有している葬儀社よりも数の上ではるかに多いと思われます。また、自社で斎場を所有していている葬儀社でも、公営斎場や民間の貸斎場を頻繁に利用しています。